朝日新聞が「創業以来の赤字」に陥り、来春渡辺雅隆社長が退任する意向を示しました。
退任理由と、自業自得と言われる所以についてお伝えします。
朝日新聞の渡辺雅隆社長(61)は11月13日に開かれた労組との会合で、2020年度決算が創業以来の約170億円という大赤字に陥る見通しとなったことなどの経営責任を取って、来春に退任する意向を示唆した。
14年夏の慰安婦誤報問題と福島第一原発吉田調書の記事取り消し問題で辞任した木村伊量氏に代わって緊急登板して以来6年に及ぶ長期政権となったが、新聞部数減少や影響力の低下に歯止めを掛けることはできなかった。
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渡辺社長の在任6年で185万部減
新聞各社ともこの20年余り部数の減少に悩んでいるが、朝日新聞も例外ではない。渡辺氏が社長に就任した14年12月の販売部数は680万部(日本ABC協会調べ、以下同)あったが、今年10月には495万部まで落ち込んだ。6年弱で185万部も減った計算になる。しかも減少幅は拡大している。売上高(単体)も14年度決算の2886億円から19年度には2396億円まで縮小。20年度はさらなる大幅な落ち込みが確実だ。
渡辺社長の最大の「罪」は、本業である新聞事業へのテコ入れを怠ったことだろう。読売新聞のように頑なに「紙」を守っていくのか、日経新聞のようにデジタルへの移行を速めるのか、明確な方針を示すことができず、曖昧にしたまま6年間を無為に過ごしてしまった。長すぎる在任と言えよう。
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以前からの朝日新聞叩きの風潮について
ここ最近、一部の雑誌の「朝日新聞叩き」が目立つ。中には巻頭で大特集を組んでいるところもある。例えば、こんな見出しだ。
『月刊Hanada』では「総力大特集 赤っ恥、朝日新聞!」(2018年4月号)、「総力大特集 朝日新聞の提訴と断固、戦います!」(2018年3月号)、「総力大特集 朝日虚報と全面対決!」(2018年2月号)。
『月刊WiLL』では「やはり逃げたか、朝日論説主幹」(2018年4月号)、「朝日はなぜ虚に吠えたのか」(2018年3月号)、「朝日新聞と言論犯罪」(2018年2月号別冊)。
『月刊正論』では、「朝日新聞よ、父がウソをついたというのか!」(2018年4月号)、「冬の特大号 暗黒・韓国を生んだ朝日の罪と罰」(2018年3月号)。
もちろん言論は自由だから、朝日叩きをやるのもいいが、毎月のようにこういった主張が並ぶところを見ると、少々過熱しているのではないかと感じる。おそらく、朝日叩きをやると売り上げが伸びるのだろう。
こうした雑誌が朝日叩きの勢いを強めたのは、森友・加計問題、あるいは共謀罪の問題などで、安倍内閣の支持率が落ちてきた辺りからだった。安倍政権を支持する人たちは、危機感を持ったのかもしれない。
日経ビジネス 2018年3月2日
渡辺社長の解任に関するSNS上の反応は?
Twitter上では、渡辺社長や朝日新聞に対する自業自得の声が多く上がっています。